私たちの思い

私たちが目指すもの

わたしたちはさまざまな価値観を尊重し、楽しく、
自己実現可能な暮らしに貢献することを目指します。

 

障害のある方が地域で自分らしく生きていくには、さまざまな困難があります。その困難のひとつに「働く」ことの実現のしづらさがあります。働くことは、経済的な側面だけではなく、自分らしさを発揮したり、他者とのつながりを実感したりすることができる場です。しかし、現実には、障害のある人の就労にはさまざまなハードルがあります。

現在、一定規模以上の企業には、障害のある人を一定数雇用しなければならないと定められています(この割合を「法定雇用率」などといいます)。しかし、制度があって、単に雇用されればいいというわけではありません。雇用された障害のある人が生き生きと個性を発揮できる就労であることが重要です。そして、そのような就労を実現するためには、雇用する企業の不安の解消や体制づくりが必要不可欠となっています。

また、同じように地域生活をするうえで困難に直面している方、罪を犯してしまった方もいます。そして、罪を犯してしまった方の中には、障害のある人が多くいるということが明らかになっています。これは、決して「障害があるから罪を犯しやすい」ということを意味するのではありません。地域生活において適切な支援がなかったゆえに罪を犯さざるを得なかったという方が多かったことをあらわしています。たとえば、障害ゆえに福祉制度を知らず、それゆえに罪を犯さざるをえなかった方がいます。その方が地域で暮らしていくために必要なことは、適切な支援につながることではないでしょうか。

このような方々は、障害に加えて、「前科・前歴」という二重のスティグマを負うことになり、そのことによって社会資源へのアクセスが困難になってしまいます。厚生労働省では、一部の障害福祉サービスにおいて、矯正施設等を退所した者を受け入れる際に加算をつけるなどして、その地域移行を進めようとしています。しかし、これもまた、さきほどの障害者雇用と同じように、制度があるだけでは不十分です。障害福祉の領域では、罪を犯した障害のある人への支援の歴史は浅く、ノウハウも十分に蓄積されているとは言えません。この問題に対しても、当事者の本当の安心した生活のためには、受け入れる福祉事業所の不安の解消と体制づくりが必要です。

私たち「ばりこねっと」は、誰もがその人らしく、地域で生活できる社会の実現を目指し活動しています。その中でも「障害のある方の就労」と「罪を犯した方の地域生活」が私たちが特に取り組みたいテーマです。このテーマに関して、企業や支援者、地域の方々を含めたすべての方々へコンサルティングやセミナーの開催などを行っていきます。

私たちにできることは小さいかもしれませんが、その小さな一歩が、次の一歩につながることを願っています。

 


代表挨拶

私はこれまで、主に障害福祉分野で活動をしてきました。

大学で社会福祉を学び、大学卒業後、障害のある人の就労支援に携わり、多くの方が一般企業に就職をしていきました。学生時代に「障害のある人の地域移行の重要性」を学んだとおり、そこには生き生きと働く方々の姿があり、充実した生活を送る姿がありました。

一方で、地域で生活することにはリスクもあり、また、そのリスクにまっさきに飲み込まれるのは障害があるなど、社会的に弱い立場に置かれている人たちであることを知りました。キャッチセールスや借金、さまざまな団体からの勧誘など… 地域で生活することで、トラブルに巻き込まれ、生活が破綻してしまったケースを目の当たりにしてきました。

「地域で生活することのリスクに向き合わなければいけないのでは?」こんな想いが心の中にずっと横たわっていました。

その後、精神科の分野やグループホームでの勤務を経験しても、この疑問を払拭するには至らず、一念発起して大学院(修士)でこの問題に向き合うことにしました。その準備をするなかで、「刑務所の中に障害のある人が多くいる」ということを知り、研究テーマとして取り組み、今に至っています。

その研究過程で出会ったのが被疑者・被告人となった障害者を支援する団体である「東京TSネット」の活動でした。そして、実際に被疑者・被告人段階の障害のある方の支援を弁護士と協働して行っています。

現在は、大学に身を置きつつ、被疑者・被告人となった障害のある人の支援に携わっています。

どんな人も社会でその人らしく生きていくためには、より多くの方々にこの問題を知っていただき、そして、実際の支援についてともに取り組んでいきたい。ばりこねっとは、そんな想いで立ち上げた団体です。

みなさんとともに、誰もがその人らしく生きていける社会の実現に向かっていきたいと願っています。

代表取締役
金子毅司


 
【法人名由来】
株式会社ばりこねっとの由来は英語の
 Variation 変化・変動・変形
 Connect 関係・つながり
 Network 人や組織の広がりをもったつながり
の頭文字をとった造語です。いろいろな人を人や環境につなげて、さらにネットワークを広げていくというイメージで名づけました。